ホームページ制作を外注する準備は、制作会社に連絡するより先に、社内で目的と予算の上限と「誰が決めるか」を決めておくことから始まると思っています。

わたしの会社では、30万円のホームページ改修の稟議が3回差し戻されました。
4回目で通ったのですが、そのとき金額はほとんど変わっていません。

変わったのは、稟議を出す前に社内で決めておいたことの量でした。

制作会社に話を持っていく前に何を決めておけばよかったのか、わたしがやった順番で書いていきます。

差し戻された理由を書き出してみる

改修の話が出たのは、社長の「採用ページがちょっと古いな」という一言からでした。

わたしはそのまま、いま保守をお願いしている制作会社に連絡して、見積もりを出してもらいました。
金額は30万円ほど。
見積書の項目の意味がよく分からないまま社長に持っていって、うまく説明できませんでした。

戻ってくるたびに言われたことを、あとで紙に書き出してみました。

  • 1回目は「これは何のためにやるの」
  • 2回目は「原稿とか写真は誰が用意するの」
  • 3回目は「作ったあと、誰が更新するの」

どれも見積書の中身ではなく、社内の話です。
制作会社に聞いても答えは出てきません。

見積もりを取ったこと自体は、間違いではなかったと思います。
ただ、順番が逆でした。

社内で決めることを先に決めてから見積もりを取っていれば、1回で通っていたかもしれません。

何のために作り直すのかを一文で書く

最初に決めるのは目的です。

「古くなったから」は目的にならない、と4回目の前に上司に言われました。
古いページを新しくしても、何がよくなったのかを誰も説明できないからです。

わたしの会社の場合、手がかりはGA4(サイトに来た人の数や、よく見られたページが分かるGoogleの無料ツール)にありました。
毎月見ている「ページとスクリーン」の画面で、採用情報のページが上から2番目に入っていたのです。
製品のページより上でした。

この画面の開き方と見方は、GA4を開いて最初に見る画面のことを書いた記事にまとめています。

そこで目的を「採用ページを見た人が、応募の前に知りたいことを分かるようにする」と一文で書きました。

一文にしておくと、制作会社から「こういうページも足しませんか」と提案されたとき、目的に合うかどうかで判断できます。
わたしはこの一文を、見積もりの依頼メールの1行目にも入れました。

一文を書くときに、自分で確認していたことです。

  • 誰に見てほしいのか(取引先か、求職者か)
  • 見た人にどうしてほしいのか(問い合わせか、応募か、来社か)
  • いまのサイトで困っていることを、具体的な場面で言えるか
  • 公開して半年たったとき、何が変わっていればいいか

社内で目的が決まらないときは外に相談する

目的が社内で決まらないこともあると思います。
社長と営業部長で言うことが違う、という場面はわたしの会社でもありました。

外注先を調べていたとき、作る前に今の状態を整理するところから入る会社があることを知りました。

LAUNC株式会社のWeb集客の棚卸しサービスは、ヒアリングから始まって、その手順の中に「ゴール・目的整理」が入っています。
料金表には、初回の棚卸しが8万円から、契約期間は6ヶ月と書かれていました。

目的を決めるところから外の人に入ってもらう、という頼み方もあるのだと思いました。
社内で話がまとまらないとき、発注する前の相談先として知っておいて損はないと思います。

予算の上限を、見積もりの前に聞いておく

1回目から3回目まで、わたしは見積もりを取ってから「この金額で通りますか」と聞いていました。
これだと、高いか安いかの話にしかなりません。

4回目のときは、見積もりを頼む前に上司に「いくらまでなら稟議に出せますか」と聞きました。
答えは「30万円まで。超えるなら社長と直接話して」でした。

上限が分かったので、制作会社には「30万円以内で、採用ページを優先してください」と伝えられました。
返ってきた見積もりは、ページの数を絞ったものになっていました。

上限と一緒に確認しておいてよかったことです。

  • 一度に払うのか、分けて払えるのか
  • 公開したあとに毎月かかる費用(保守やサーバー)は、別の予算なのか
  • 今年度の予算なのか、来年度に回せるのか
  • ほかの会社の見積もりと比べる必要があるのか

毎月かかる費用は見落としがちです。
わたしの会社は月2万円台の保守契約がすでにあるので、改修のあとでこの金額が変わるのかも制作会社に聞きました。
今回は変わらないという返事でした。

稟議の書類そのものをどう組み立てるかは、それだけで長くなるので別の記事にまとめます。

決める人と確認する人を分けておく

差し戻しが続いた理由はもう1つありました。
誰がOKを出すのかが決まっていなかったことです。

上司がOKを出しても、社長のところで止まる。
社長がOKを出したあとで、採用を担当している人事の人から「この写真は使わないでほしい」と言われる。
そのたびに、制作会社に修正をお願いすることになりました。

4回目は、上司と相談して役割を先に決めました。

役割わたしの会社での担当やること
最終的に決める人社長目的と金額のOK、公開前の最終確認
中身を確認する人上司と人事の担当者採用ページの文章と写真の確認
窓口わたし制作会社との連絡、社内の取りまとめ

確認する人は、少ないほうが進みます。
前の3回は、関係しそうな人全員に見てもらっていたので、意見がばらばらに返ってきて、どれを優先すればいいのか決められませんでした。

社長に見てもらうのは2回だけ、と最初に決めておきました。
目的と金額を決めるときと、公開の前です。

制作会社にも、窓口はわたし1人だと伝えました。
社内のいろいろな人から別々に連絡が行くと、制作会社もどれに従えばいいのか分からなくなると思ったからです。

社内で用意するものと、かかる時間を出す

外注しても、社内でやることは残ります。

2回目の差し戻しで「原稿は誰が用意するの」と聞かれて、わたしは答えられませんでした。
文章も写真も、制作会社が用意してくれるものだと思っていたのです。

あとで制作会社に聞くと、「文章の元になる情報は会社から出してもらう前提の見積もりです」と言われました。
同じように思い込んでいる方は、見積もりを取るときに一度聞いておくと安心です。

わたしの会社で用意したものを並べておきます。

  • 載せる文章の元(仕事の内容、1日の流れ、休みや手当のこと)
  • 工場と、社員が働いている様子の写真
  • 社員の声を載せるなら、話してくれる人と、その人の了解
  • ロゴなどのデータ
  • いまのサイトから残すページと、消すページの一覧

写真は、取引先の図面や部品が写らないように撮る必要があります。
社員の顔が入るときは、本人に一声かけてからにしています。

わたしがWebの仕事に使えるのは、週に4〜5時間です。
原稿の取りまとめを全部自分でやると、その時間はすぐに埋まります。

そこで、人事の担当者に原稿の元を書いてもらい、わたしが整えて制作会社に渡す、という分け方にしました。
スケジュールも、総務の月末の締めと重ならないように組んでもらいました。

社内から原稿や写真が集まらないときの進め方は、別の記事で書きます。

公開したあと誰が更新するかを決める

3回目の差し戻しは、これでした。
作ったあと、誰がどこまで更新するのか。

わたしの会社では、お知らせはわたしがWordPress(サイトの文章や写真を更新するための仕組み)で月2〜3本更新しています。
採用ページの写真の差し替えは、年に数回、社長から急に頼まれます。
これまでは、そのたびに制作会社にお願いしていました。

改修の打ち合わせでは、「採用ページの写真と募集要項は、社内で差し替えられるようにしてほしい」と制作会社に伝えました。
どう作るかはわたしには分からないので、そこはお任せしています。

これを作り終わってから言うと、直すのに別の費用がかかることがあると制作会社に教わりました。
自分で直せる範囲と、制作会社に頼む範囲は、作る前に決めておいたほうがいいです。

決めておいたことです。

  • 社内で更新するページと、その担当者
  • 更新の頻度(月に何回か、年に何回か)
  • 社内でできない更新を頼むとき、保守契約の範囲に入るのか

保守契約の範囲に入るかどうかは、契約書を見ても分からなかったので制作会社に聞きました。

まとめ

30万円の改修が3回差し戻されたのは、見積もりの中身ではなく、社内で決めておくことを決めていなかったからでした。
目的、予算の上限、決める人、社内で用意するもの、公開後の更新。
4回目は、これを先に決めてから出しました。

全部を一度に決めるのは大変なので、やることを1つに絞るなら、作り直す目的を一文で書いて上司に見せることだと思います。

その一文が決まれば、予算も、確認する人も、用意するものも、そこから決めていけます。
わたしは見積もりを取ってから目的を考えたので、遠回りをしました。

制作会社に連絡する前に、まず一文を書いてみてください。