WordPressの更新通知は、そのまま押す前に確認しておくことが2つあります。
元に戻す控えがあるかどうかと、そもそも誰が押す約束になっているかです。

わたしがWeb担当を引き継いだとき、管理画面の左上には赤い丸に「9」という数字が付いていました。

これが更新通知です。
押していいのか分からないまま、その数字は10ヶ月かけて「19」まで増えました。

前任者はいないので、社内に聞ける人もいません。
検索したら「更新の前には必ずバックアップを」と書いてあって、そのバックアップがどこにあるのか分からないわたしは、余計に押せなくなりました。

同じ画面の前で止まっている方に向けて、わたしがいまどうしているかを書きます。

まず、何の更新なのかを見分ける

更新通知とひとくちに言っても、中身は1種類ではありません。

管理画面の「ダッシュボード」から「更新」を開くと、たまっているものの一覧が出てきます。
わたしの画面に並んでいたのは、この4種類でした。

種類ざっくりした中身
WordPress本体サイトを動かしている仕組みそのもの
プラグインあとから足した機能。問い合わせフォームなど
テーマサイトの見た目のひな形
翻訳管理画面などの日本語表示データ

最初は全部同じ「更新」に見えていました。
でも、種類によって影響の大きさが違います。

制作会社に聞いたところ、本体の更新には大きいものと小さいものがあって、小さい修正は自分で押さなくても自動で当たっていることが多いそうです。
公式の説明ページにも、そういう仕組みだと書いてありました。

ちなみに、わたしが最初に押せたのは翻訳の更新でした。
一覧の中で一番影響がなさそうに見えたからです。

押したら数字が2つ減って、サイトは何ともありませんでした。
この「押しても壊れなかった」という経験が1回あるだけで、画面に向かう気持ちはずいぶん変わります。

つまり、一覧にたまって見えているものが全部危険というわけでも、全部無害というわけでもありません。
だからこそ、押す前の確認が要ります。

押す前に、戻せるかどうかを確認する

更新は、まれにサイトの表示や機能を崩すことがあります。

そのときに元へ戻せるかどうかは、バックアップ(サイトの控えのデータ)があるかで決まります。
公式の説明にも、更新の前にバックアップを取っておくようにと書かれています。

ここで確認するのは、控えを「自分で取る方法」ではありません。
「誰かがすでに取ってくれているか」です。

保守契約を結んでいる制作会社があるなら、聞き方はこれで足ります。

  • サイトのバックアップは取られていますか
  • どのくらいの頻度ですか
  • 更新で表示が崩れたとき、戻す作業はお願いできますか

正直、聞くまでに時間がかかりました。
「そんなことも知らないで担当をやっているのか」と思われる気がしたからです。

実際に聞いたら、翌日に「サーバー側で毎日自動で取れています。戻す作業もこちらでやります」という返事が来ました。
10ヶ月悩んだことが、メール1通で終わりました。

契約している会社や環境によって答えは違うはずなので、ここはうちの場合の話です。
バックアップを誰が取っているかの確かめ方は、別の記事で詳しく書きます。

誰が押すことになっているか、契約を確認する

もうひとつ、先に確認しておいてよかったのが保守契約の中身です。

わたしの会社は制作会社と月2万円台の保守契約を結んでいます。
契約書は経理のファイルに綴じてあって、Web担当のわたしは見たことがありませんでした。

てっきり更新作業も込みだと思っていたら、契約書に書かれていたのは「障害対応と軽微な修正」で、日々の更新ボタンを押すのはうちの仕事でした。
上司に報告したら「じゃあ任せる」で終わったので、押す係はわたしに決まりました。

逆に、更新作業まで含まれている契約もあるそうです。
その場合、わたしが悩んでいた10ヶ月は、毎月払っているお金で解決できたことになります。

どちらなのかは、契約書を見るか、制作会社に聞けば分かります。
聞くときの文面は、「更新作業はどこまで契約に含まれていますか。含まれていない場合、単発でお願いすると費用はどのくらいですか」の2行で足りました。
保守費用に何が含まれているのかという話は、それだけで長くなるので別の記事にします。

まとめて更新して、フォームを止めた失敗を書いておく

確認を終えたわたしは、たまっていた19件を1日で全部更新しました。

数字が消えた画面はすっきりしていて、やり切った気持ちになっていました。

その翌週、営業から「問い合わせフォームからメールが届いていないらしい」と言われました。
お客さんが電話で「フォームから送ったのに返事がない」と伝えてくれて、初めて分かったそうです。

調べてもらったら、フォームまわりの更新が原因で、送信しても通知メールが飛ばなくなっていました。
サイトの見た目は普通のままだったので、わたしは1週間気づきませんでした。

白状すると、それまでフォームのテスト送信を一度もしたことがありませんでした。
表示さえ崩れていなければ大丈夫だと思っていたんです。

制作会社が控えから戻してくれて、2日で復旧しました。
控えの確認をしておいたおかげで、この失敗は取り返しがつきました。

ただ、1週間ぶんの問い合わせが何件消えたのかは、いまも分かりません。

このとき制作会社に言われたのは、「まとめて押すと、どれが原因か分からなくなる」ということでした。
19件を一気に更新したので、犯人探しから大変だったそうです。

いまは、この順番で押している

失敗のあとに決めた、わたしの手順です。
月に1回、お知らせを更新するついでにやっています。

  • 更新の一覧を開いて、何がたまっているか画面を撮っておく(制作会社に相談するとき、そのまま送れます)
  • 本体の大きい更新が来ていたら、押す前に制作会社に一言相談する
  • プラグインは1つ更新するたびに、サイトの表示を見る
  • 更新が終わったら、問い合わせフォームから自分でテスト送信する
  • 金曜の午後にはやらない

お知らせの更新とセットにしたのは、単独の予定にすると忘れるからです。
「お知らせを載せたら、ついでに更新も見る」と決めてからは、たまっても数件で済んでいます。

金曜の午後にやらないのは、フォームの一件で決めました。
何かあったとき、制作会社の営業時間内に連絡できる曜日と時間にやる。
それだけで、押すときの怖さがだいぶ減りました。

テスト送信は3分で終わります。
件名に「テスト」と日付を入れて送り、自分宛てに届いたら消すだけです。

うちのサイトで一番大事な機能は問い合わせなので、ここさえ生きていれば大きな事故にはなりません。

押さずに放置する危なさも知っておく

わたしのように押せずに放置するのも、実は安全ではないそうです。

更新には、機能の追加だけでなく、セキュリティ上の穴をふさぐ修正が含まれていると制作会社に教わりました。
古いまま放置されたサイトは、その穴が開いたままになります。

乗っ取りや改ざんの話は、うちのような小さい会社には関係ないと思っていました。
「規模は関係なく、古いサイトから狙われます」と言われて、考えを改めました。

わたしが放置していた10ヶ月の間、何も起きなかったのは運が良かっただけだそうです。
そう言われると、赤い数字を見なかったことにしていた自分が少し怖くなりました。

押すのが怖いから放置する、は選択肢にならない。
だから、怖くない状態を先に作る。

順番としては、戻せることの確認が先で、押すのはそのあとです。

まとめ

更新通知は、押すこと自体より、押す前の準備がほとんどでした。

やることを1つに絞るなら、次に通知が来たとき、押す前に「このサイト、戻せますか」と制作会社に聞いてみることだと思います。

戻せると分かっていれば、更新は怖い作業ではなくなります。
わたしはその確認をしないまま10ヶ月悩んだので、遠回りでした。

赤い数字は、確認さえ済めばただの作業リストです。