Web担当がひとりのとき、どこまで自分でやるべきかは、やる気ではなく持ち時間で決まります。
わたしは総務との兼任で3年目になりますが、Webに使える時間は週に4〜5時間です。
これ以上は本業が回りません。
その時間で頼まれる仕事を全部やろうとして、結局どれも中途半端になった時期がありました。
お知らせの更新が2ヶ月止まり、その間に社長から頼まれた採用ページの写真は差し替えたまま確認していない。
そういう状態です。
担当になった直後にやるべきことは別の記事に書きましたが、あれは着任してからの話で、ここから先は「引き受け続けた結果どうなるか」の話になります。
いまは先に線を引いてから作業に入るようにしています。
同じようにひとりで抱えている方に向けて、わたしがどう振り分けたかを書きます。
自分の持ち時間を先に数える
最初にやったのは、Webに使える時間を数えることでした。
わたしの場合、月曜と木曜の午後に1時間ずつ、金曜の夕方に2時間。
これで週4時間、忙しくない週で5時間です。
次に、頼まれている作業を全部書き出しました。
- ホームページのお知らせ更新(月2〜3本)
- 採用ページの写真の差し替え(社長から急に頼まれる)
- Googleビジネスプロフィールの営業時間と休業日の更新
- 年2回の展示会の告知ページ作成
- Instagramの投稿
- 制作会社とのやりとり
- アクセス数を見て報告すること
書き出した時点で、週4〜5時間に収まらないことがはっきりしました。
このとき大事なのは、収まらないという結果を自分の能力の話にしないことです。
時間の量と仕事の量が合っていないだけなので、どちらかを変えるしかありません。
止まると何が起きるかで並べ替える
やることに優先順位をつけましょう、とよく書いてありますが、わたしにはこれが難しかったです。
どれも頼まれた仕事なので、勝手に順位を下げていいのか分かりませんでした。
そこで、重要かどうかではなく「止まったときに何が起きるか」で並べ替えてみました。
| 作業 | 止まると何が起きるか |
|---|---|
| 問い合わせフォームが動いているかの確認 | 商談の機会がそのまま消える |
| 営業時間・休業日の更新 | 来訪した人が閉まっている会社の前に立つ |
| 採用ページの内容 | 応募者が古い情報で判断する |
| お知らせの更新 | 更新が止まっているサイトに見える |
| Instagramの投稿 | いまのところ、目に見えて困ることはない |
並べてみたら、自分が時間をかけていた順番と、止まると困る順番が違っていました。
わたしは投稿を作るのに毎週1時間以上使っていて、フォームが動いているかは一度も確認していませんでした。
3年目にして初めてテスト送信をしたときは、届いたので何も起きませんでした。
ただ、届かなかった場合に3年分の問い合わせがどこにも残っていない可能性があったと考えると、順番を間違えていたと思います。
この表は、作った時点では誰にも見せていません。
自分が何を後回しにしているかを把握するためのものなので、きれいに作る必要はありませんでした。
自分でやる仕事の条件を決める
振り分けの基準は、次の4つにしました。
これに当てはまるものは、自分でやった方が早いと判断しています。
- 頻度が高い(毎月やる作業を毎回外に頼むと、依頼のやりとりの方が長くなる)
- 社内にしか情報がない(休業日、社員の名前、展示会の出展内容)
- 間違えても戻せる(お知らせの文面は直せる)
- 30分以内で終わる
とくに2つ目が大きいです。
社内の情報を制作会社に説明する時間を考えると、自分で入力した方が早い作業はけっこうあります。
Web担当が社内にいる意味は、たぶんここにあります。
4つ目の「30分以内」は、あとから足した条件です。
30分を超える作業は、途中で電話が入って中断します。
中断すると、次に開いたときにどこまでやったか思い出すところから始まるので、実際には倍の時間がかかっていました。
まとまった時間が取れない前提で考えると、自分でやれる作業はかなり限られます。
逆に、この条件から外れるものは自分の仕事ではない、と考えるようにしました。
外に出すものを決める
外に出すと決めたのは、次のような仕事です。
- 直したときに他の場所が壊れる可能性があるもの(サイトの構造やデザインに関わる部分)
- 自分がやると調べる時間の方が長くなるもの
- 失敗すると戻すのに専門知識が要るもの
- 年に1〜2回しかないもの
3つ目については、一度失敗して学びました。
自分で直そうとして、直せずに結局制作会社に連絡することになり、そのときには元の状態も分からなくなっていました。
最初から頼んでいれば、わたしの2時間は減らずに済んでいます。
判断に迷ったときは「これを自分でやって、失敗したら誰が困るか」を考えるようにしています。
自分が困るだけなら試します。会社が困るなら外に出します。
もうひとつ、失敗しないけれど終わらない仕事もあります。
アクセス数の報告がそれでした。
解析の画面を開いてはみたものの、どの数字を見れば報告になるのか分からず、3ヶ月そのままにしていました。
これは壊れる作業ではないので、外に出す条件には当てはまりません。
それでも進まないなら、自分の中で締切を決めて、その日までに進まなければ聞く、と決めておいた方がいいです。
わたしはこの3ヶ月を、誰にも相談せずに使いました。
窓口の数を増やしすぎない
外に出すと決めたあと、もうひとつ気づいたことがあります。
ひとり体制でつらいのは、作業の量より窓口の数でした。
サイトは制作会社、SNSは別の会社、広告はまた別、となると、それぞれに状況を説明して、それぞれの提案を読んで、社内に報告することになります。
作業を外に出したはずなのに、連絡だけで週の持ち時間が終わります。
わたしの会社は制作会社1社との付き合いですが、その1社だけでも担当者が3年で2回変わりました。
そのたびに、うちのサイトがどういう作りで、どこを触ってはいけないのかを説明し直しています。
窓口が3つあれば、この説明が3倍になります。
外注先を調べていたとき、まとめて対応すると書いている会社があることを知りました。
たとえばLAUNC株式会社のサイトを見ると、SEO対策、MEO対策、web制作・リニューアル、SNS・公式LINE運用、メディア運用が並んでいて、企画から制作まで社内で完結するという説明が書かれています。
実際に頼むかどうかは会社ごとの判断ですが、こういう形の会社もあると知っておくと、外注の考え方が変わります。
わたしは「1社にまとめられないか」を、見積もりを取るときの確認項目に足しました。
上司に説明できる形にしておく
線を引いても、社内で共有されていなければ意味がありません。
わたしの会社は、月2万円台の保守契約は通りましたが、30万円のサイト改修は3回差し戻されました。
金額の大きさというより、なぜ必要かを説明できていなかったからだと思っています。
上司に持っていくときは、この言い方に変えました。
- できません → 週4〜5時間でここまではやります。残りは外に出したいです
- 忙しいです → この作業に月◯時間かかっていて、他の作業が止まっています
- 外注したいです → 自分でやると◯時間かかる作業を、◯万円で外に出せます
時間で話すようにしてから、話が通りやすくなりました。
数字が苦手な上司にどう説明するかは、それだけで長くなるので別の記事にします。
まとめ
どこまで自分でやるべきかは、持ち時間から逆算するしかありませんでした。
やることを1つに絞るなら、Webに使える時間が週に何時間あるかを数えて、紙に書いておくことだと思います。
その数字がないと、頼まれるたびに引き受けてしまいます。
わたしは「週4〜5時間」と書いた紙を机に置いてから、断る理由を自分の中で説明できるようになりました。
線を引くのは、仕事を減らすためではなく、止まると困るものを止めないためです。