Web担当を任されて何から始めればいいか分からないとき、最初の1週間にやるのは作業ではなく、会社がいま何を持っているかの確認だけでいいと思っています。

わたしは3年前、「社内に他に触れる人がいないから」という理由で、総務と兼任でWeb担当になりました。

引き継ぎ資料はA4が1枚。
前任者はすでに退職していました。

紙に書いてあったのは、自社サイトのURLと、制作会社の会社名と、月々の保守料金の3つだけです。
それ以外は何も分かりませんでした。

最初の1週間で何を確認しておけばよかったのか、いま振り返って書いていきます。

まず、何も直さないと決める

担当になると、すぐに何かを直したくなります。

わたしはトップページの写真が古いのが気になって、初日に差し替えようとしました。
結局その日はやめたのですが、やめてよかったと思っています。

自社サイトがどこで動いていて、誰が管理していて、バックアップ(おかしくなったときに元へ戻すための控え)があるのか。
そのどれも分かっていない状態でした。

つまり、失敗したときに戻す手段を持っていなかったということです。

最初の1週間は、直さない、消さない、解約しない。
これだけ自分の中で決めておくと、確認に集中できます。

急ぎの更新を頼まれたら、制作会社に依頼して構いません。
保守契約を結んでいる会社なら、それはもう毎月払っている料金に含まれている作業かもしれないので、まず聞いてみるのが早いです。

会社が持っているものを、名前だけ書き出す

ここが一番時間のかかるところです。

わたしはドメイン(example.co.jp のような、サイトの住所にあたる文字列)をどこの会社と契約しているのか調べるだけで、2週間かかりました。

このとき大事なのは、中身まで理解しようとしないことです。
「これがある」「たぶんこれもある」という名前の一覧をつくるだけで、1週間はまるごと使い切ります。

サイトそのものに関わるものを押さえる

まず、自社サイトが動くために必要なものです。

  • ドメイン。どの会社と契約しているか、契約者は誰の名義か
  • サーバー(サイトのデータが置いてある場所)。契約している会社名
  • CMS(社内の人がサイトを更新するための仕組み。WordPressが使われていることが多い)。管理画面に入るためのURLとIDがあるか
  • SSL証明書(アドレスが https で始まるようにするための証明書)。どこで取っているか

名義が「前任者の個人アカウント」になっていることがあります。
わたしの会社は、これが1つありました。

このあたりの具体的な探し方は書くと長くなるので、別の記事にまとめます。
最初の1週間は「まだ分かっていない」と書き残しておくだけで十分です。

Googleのアカウントを探す

次に、Google側です。
これは制作会社ではなく、社内の誰かが持っていることがあります。

  • Googleアナリティクス(サイトに何人来たかを見るツール。いまはGA4という名前のものが現行です)
  • Google Search Console(検索結果でどう表示されているかを見るツール)
  • Googleビジネスプロフィール(Googleマップや検索結果に出てくる会社情報のこと。以前はGoogleマイビジネスという名前でした)

この段階では、中身を見なくていいです。
アカウントが存在するのか、しないのか、誰が管理者なのか。
そこまで分かれば1週間の仕事としては十分だと思っています。

わたしはここで焦ってGA4を開いてしまい、数字の意味が分からないまま3ヶ月放置しました。
順番としては後回しで問題ありません。

SNSと外部サービスを同じ紙に足す

最後に、サイトの外にあるものです。

  • SNSのアカウント。IDとパスワードを誰が持っているか
  • 予約システム、採用サイト、名刺管理など、Web関連で契約しているサービス
  • メールの配信サービス
  • 会社で使っているGoogleアカウントやMicrosoftアカウントのうち、Web関連に紐づいているもの

意外と出てきます。
うちは、数年前に契約したまま誰も使っていない採用サイトの掲載枠が見つかりました。

誰が鍵を持っているかを聞いて回る

一覧ができたら、次はそれぞれの「鍵」の在りかです。

聞く相手は、社内と社外と上司に分かれます。

社内では、総務・経理・情報システム担当の人。
経理には請求書が回っているので、契約しているサービスの名前は経理が一番正確に知っていました。

社外では、制作会社です。
担当者の名前、連絡先、緊急時にどこへ連絡すればいいのか。
うちは3年で担当者が2回変わったので、名刺だけでなく「窓口の共通アドレスがあるか」も聞いておくとよかったと思っています。

そして上司です。
Webに関することを、どこまで自分の判断で進めていいのか。
金額でいうといくらから相談が必要なのか。

ここを最初に確認しておかないと、あとで「勝手に進めた」ことになってしまいます。

前任者に連絡が取れる場合は、この段階で一度だけ時間をもらうのがいいです。
退職している方に何度も聞くのは難しいので、聞きたいことをまとめてから連絡しました。

期限があるものだけ、カレンダーに入れる

一覧の中で、期限があるものだけを先に押さえます。

放っておくと自動的に切れてしまうものがあって、切れたときの影響が大きいからです。

確認するもの聞く相手確認しておきたいこと
ドメイン制作会社または経理次の更新月と、自動更新になっているか
サーバー制作会社または経理契約期間と支払い方法
SSL証明書制作会社有効期限と、更新は誰がやるのか
保守契約制作会社または経理契約の期限と、更新のタイミング
各種SNS・外部サービス社内の担当者年払いのものがないか

わたしは制作会社に、この表をそのまま送って聞きました。
専門的な質問をする必要はなくて、「更新の時期を社内のカレンダーに入れておきたいので教えてください」と書けば返ってきます。

自動更新になっていて、支払い用のクレジットカードが前任者名義のまま、というケースもあるそうです。
そこも合わせて聞いておくと安心だと思います。

自分が使える時間を先に決めて、上司に伝える

これは1週間目にやるとは思っていなかったことです。
でも、いま一番大事だったと感じています。

Web担当を兼任している場合、本業は減りません。
わたしの場合、Webに使える時間は週に4〜5時間くらいが限界でした。

最初のうちは、頼まれたことを全部その日のうちにやろうとしていました。
そのうち本業が回らなくなって、上司に相談することになります。

そのとき聞いたのは、「サイトの件と総務の締め作業がぶつかったら、どちらを先にやりますか」という一言です。

答えは「総務が先」でした。
それが分かっただけで、だいぶ楽になりました。

自分で勝手に優先順位をつけて抱え込むより、一度聞いてしまったほうが早いです。

1週間の終わりに、A4一枚に書き出す

最後に、ここまで調べたことを1枚の紙に書き出します。

書くのは、契約しているものの名前と、契約先の会社と、管理している人と、更新の時期。
それだけです。

このとき、分からなかった欄は空欄のまま残しておきます。
埋まっていない場所が、次に自分がやることになるからです。

わたしはこれを作らずに走り出したので、同じことを何度も調べ直すことになりました。
半年後にもう一度ゼロから探した項目もあります。

この紙は、あとで役に立ちます。
制作会社を変えるとき、サイトを作り直すとき、上司に予算の相談をするとき、必ず「いま何を契約しているのか」を聞かれるからです。

自分の引き継ぎのためにも残しておいて損はないと思います。

まとめ

最初の1週間は、直さない、消さない、解約しない。
その代わりに、会社が何を持っているかを書き出す。

やることを1つに絞るなら、契約しているものの名前を並べた紙を作ることだと思っています。

中身までは分からなくていいです。
名前さえ並んでいれば、あとから1つずつ調べていけます。
空欄のまま残った項目が、そのまま次に自分がやることになります。

わたしは順番を逆にしてしまったので、遠回りをしました。
同じ立場で担当になった方は、先に紙を作ってしまうのがいいと思います。